金沢赤十字病院

内視鏡センター

内視鏡センター

なぜ内視鏡検査は必要なのでしょう?

内視鏡検査には、胃カメラや大腸内視鏡などがあります。これらは主に食道・胃・十二指腸・大腸といった消化器疾患の診断のために行います。がんの早期発見に有用で、胃がん、食道がん、大腸がんの診断に役立ちます。
どれくらいの方がこれらの悪性腫瘍で亡くなっているのでしょうか?厚生労働省の統計によると、平成26年の我が国の全死亡数は約127万人で、3大死因は第1位:がん(約36.8万人)、第2位:心疾患(約19.7万人)、第3位:肺炎(約12.7万人)でした。実に約3.5人に1人ががんで亡くなっています。
がんのなかで死亡数の多いものを示すと以下のようになります。

   【平成25年統計】

<男性> <女性>

肺がん(24%)
胃がん(14.7%)
大腸がん(11.9%)
肝がん(9.1%)
膵がん(7.3%)

大腸がん(14.8%)
肺がん(14.0%)
胃がん(11.3%)
膵がん(10.0%)
乳がん(8.9%)

胃がん、大腸がんを合計すると、男女とも26%以上を占めています。これらのがんは内視鏡検査による早期発見が可能なため、早い時期に検査を受けていれば助かっていた可能性があります。実際に、検査で早期がんが見つかり助かっている方々が多くいらっしゃいます。
当院の内視鏡センターでは、皆さまにとって安全で苦痛が少なく、質の高い内視鏡医療の提供に努めています。


内視鏡センターの概要


(平成27年4月現在)


施設認定


  • 日本消化器内視鏡学会認定指導施設

医師


  • 日本消化器内視鏡学会 指導医1名
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医3名
  • 上記以外に消化器内視鏡を専門とする医師6名

スタッフ

  • 看護師6名(うち消化器内視鏡技師3名)
  • 臨床検査技師3名(うち消化器内視鏡技師1名)
  • 受付事務員1名

所有する機器

<内視鏡スコープ>
  • 上部消化管ビデオスコープ 14本
  • 十二指腸用ビデオスコープ 2本
  • 大腸ビデオスコープ 4本
  • 気管支鏡 1本
  • 喉頭ファイバースコープ 1本
  • 経鼻内視鏡スコープ 1本
<光源装置>
  • 3台
<内視鏡洗浄器>
  • 3台
<内視鏡業務支援システム>
  • オリンパス社製 Solemio Endo
<その他の機器>
  • 内視鏡挿入形状観測装置 2台
  • 内視鏡高周波焼灼装置 2台

内視鏡センターの実績

年間内視鏡件数(平成26年度)

総数 6,962件/年

<内訳(検査種別)>
  • 上部消化管内視鏡 5,745件
  • 大腸内視鏡 1,127件
  • 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP) 90件
<内視鏡を用いた治療 517件>

  • 内視鏡的胃瘻造設術(PEG) 26件
  • 大腸ポリープ切除 236件
  • 上部消化管粘膜切除術(EMR)・粘膜下層剥離術(ESD) 21件
  • 膵胆道処置 77件
  • その他(食道狭窄拡張術など)

当院で行っている内視鏡治療

下記の内視鏡治療を行っています。消化器病センターを受診された際に、病状に応じて詳しくご説明します。

  • 早期食道がん・早期胃がんやポリープの内視鏡的切除
  • 大腸ポリープ・早期大腸がんの内視鏡的切除
  • 消化管(食道・胃・十二指腸・大腸)出血に対する内視鏡的止血
  • 食道静脈瘤の治療
  • 胆管結石に対する内視鏡的治療
  • 内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
  • 食道狭窄拡張術

内視鏡センターの特徴

内視鏡医とスタッフの充実

学会認定の指導医・専門医を中心に、内視鏡を専門とする医師が検査や治療を担当します。学会認定の内視鏡技師資格を持つ看護師2名を含め、専門のスタッフが充実しています。

カンファレンスの充実

週に1度、医師が集まり内視鏡画像カンファレンスを開き、診断の難しい症例や病理結果のフィードバックを行うことで診断技術を磨いています。

内視鏡検査を楽に受けていただくために

患者さんの苦痛の軽減に努めています。
胃カメラ検査では、楽に検査を受けられるよう、検査医や看護師がアドバイスしながら検査を行います。また、ご希望の方には鎮静剤(力を抜くための注射)を使って検査します。
大腸内視鏡では、内視鏡形状観測装置を適宜用いることで、苦痛が少なく安全な検査になるよう努めています。

安全な内視鏡検査のために

内視鏡検査では、まれに合併症(偶発症)が起こることがあります。日本消化器内視鏡学会による全国調査では、全内視鏡検査の0.032%に偶発症が起きたことが報告されています。当センターでは安全に内視鏡検査を受けていただけるよう対策を行っています。

  1. 鎮静剤による偶発症防止のため、血中の酸素濃度をモニタリング
  2. 薬剤によるアレルギーなどに備え、救急処置に必要な物品・薬剤を内視鏡センターの中に常備
  3. 内視鏡を通じた感染を防止するため、ガイドラインに準拠した内視鏡の洗浄消毒では、機械洗浄消毒および内視鏡内部を手洗い。さらに、生検用にはすべて使い捨ての鉗子を使用。
  4. 大腸内視鏡ではクリティカル・パスを使用し、事故防止
  5. 医療事故防止のため、『内視鏡検査・処置に関する安全対策マニュアル』を作成し、周知徹底

実際に内視鏡検査を受けるには

1.胃カメラ

<予約>

予約なしでも検査を受けられます。検査の前に、消化器病センターで医師の診察を受けてください。


内視鏡検査

<来院までの飲食>

前日の夜9時以降食事をとらないでください。当日朝からも食事をせずに来院してください。
(水、番茶は飲むことができます。)

2.大腸内視鏡

<予約>

検査の前日から準備が始まるため、あらかじめ予約が必要です。消化器病センターを受診し、予約してください。

<検査の流れ>

外来通院で検査を行っています。(ポリープを切除した場合は入院になります)ご高齢者やお体が不自由な方の場合には前日から入院して検査を行う場合があります。
前日、寝る前に下剤を服用していただき、当日は朝に来院されてから約1~1.5リットルの下剤を飲んでいただき、腸にある便をきれいに洗い流します。検査前日に便になりにくい食事をとると少なめの下剤で済みますので、予約の際に看護師より食事について説明します。特に便秘がひどい方や前に検査したときに下剤を多く飲むのが苦手だった方は、検査食をとっていただく場合もあります。腸がきれいになった方から順番に検査を行います。
検査は日帰りで行っています。しかし、検査中に切り取ったほうがいいポリープが見つかった場合には、内視鏡で切除いたします。この場合には、出血や穿孔(腸に穴があく)などの合併症が起きないか経過観察をするため、翌日まで入院していただいています。
また、病院からお薬をもらって飲んでいる方はお薬の調整が必要なことがありますので、あらかじめ内科を受診した際にご相談ください。

胃カメラの鎮静剤(力を抜くための注射)について

胃カメラを受けた方で「眠っているうちに終わった」と言う方もいます。これは、鎮静剤(力を抜くための注射)を使った場合に感じることです。
しかし、注射は必須ではなく、使わずに胃カメラ検査を受ける方もたくさんいます。また、「力を抜くための注射」には呼吸や心臓を抑制するなどの副作用が出ることもあります。
そうはいっても、嘔吐反射(ゲーゲー)には個人差がありますので、検査が辛い方や怖くて不安な方の場合には、注射を使った方が楽に受けられる場合もあります。
当院では、胃カメラ検査を受ける方に「力を抜くための注射」を希望されるかどうかをお聞きし、ご希望の方のみに使用しています。

「力を抜くための注射」を使う場合の注意事項

効き具合や効果が続く時間は人により様々で、半日ぐらい眠けやふらふら感が続くこともあります。このため、注射を使用した当日は事故の危険性があることから、車・バイク・自転車などを運転しないようにしてください。来院時にも運転されないことをお勧めします。また、鎮静剤によって健忘(もの忘れ)を生じることもありますので、検査当日は重要な判断は避けて下さい。ご高齢の方はご家族の付き添いのもと来院されることをお勧めします。

楽に胃カメラ検査を受けるコツ

平成21年7月に当院で開催している健康講座の一つとして「胃カメラ検査を楽にうけるために」を行いました。そのときに、「コツを覚える」・「鎮静剤(力を抜くための注射)を使う」・「経鼻内視鏡」の3つの方法について説明をしました。
楽に胃カメラ検査を受けるコツは、次の3つです。

1.心とノドを開く
2.違和感を感じてもあわてない
3.検査中はツバをゴックンしない

ぜひチャレンジしてみてください。詳しくは内視鏡センターのスタッフが説明しますのでお尋ねください。

ヘリコバクター・ピロリ菌の検査をしています

ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が胃に感染していることが胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の一つであることがわかっています。胃潰瘍なら8から9割の人が、十二指腸潰瘍ならほとんどの方が、このピロリ菌を胃の中に持っています。潰瘍をくりかえしている人がピロリ菌の治療をすると、潰瘍の苦しみから解放されることがよくあります。日本人はピロリ菌を持っている人が多く、高齢の人ほど多い傾向があります。ちなみに40代の方では半分ぐらいの方が持っています。また、最近ではこのピロリ菌が胃がんの原因の一つだということがわかってきました。
ピロリ菌の感染がわかった場合、1週間お薬を飲むことにより約8割の確率で除菌することができます。除菌が成功したかどうかの判定は、胃カメラを飲まなくても呼気テストという簡単な方法で行えます。

抗血栓剤を内服している方へ

下記のような心臓・脳・血管の病気をお持ちの方は血管の閉塞や血栓を予防するために抗血栓剤を内服していることがあります。

  • 心筋梗塞・狭心症・心臓弁膜症
  • 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  • 閉塞性動脈硬化症(足の血管がつまりやすい病気)
  • 深部静脈血栓症(足に血栓ができやすい病気)
  • 不整脈(心房細動など)

抗血栓剤を内服していても内視鏡検査はできます。しかし、粘膜を採る検査(生検)やポリープ切除をすると、出血が止まりにくいことがあるため行いません。かといってこれらの薬を中止すると、血管の閉塞や血栓を起こし、生命にかかわる危険性もあります。
このため当院では、原則としてこれらの薬を飲みながら、内視鏡検査を受けることをお勧めしています。その結果、生検やポリープ切除が必要な場合に限り、薬剤を中止して良いかどうかを慎重に判断し、ご本人と相談のうえ決めています。

大腸がんは増え続けています

厚生労働省の統計によると、平成26年の大腸がんによる死亡数は4.8万人近くであり、30年前に比べて約4倍に増えています。これは日本人の食生活が欧米化したことが原因と考えられています。現在、大腸がんによる死亡数は女性では第1位、男性では肺がん・胃がんに続いて第3位です。

大腸がんに注意が必要な人は?

血縁者に大腸がんの方がいる方、肉類をよく食べる方、便秘がちの方、運動不足の方は大腸がんになりやすいとされています。
心配な症状としては、排便時の出血や便に血液が付着する、便の形が細くなった、便秘がひどくなったといったものがあります。これらの症状は肛門の近く(直腸)のがんでみられることがありますが、最近は大腸のより奥のほうにがんがみつかることが多くなっており、無症状や腹部違和感といった症状しかない場合もしばしばです。

大腸がんの検査法には次の3つがあります

  • 便潜血検査(便に目に見えない血液が混ざっていないかを調べる)
  • 注腸検査(バリウムと空気を肛門から注入してレントゲン撮影をする)
  • 大腸内視鏡検査(肛門から内視鏡を挿入する)

便潜血検査は検診でしばしば行われている方法で、多くの方の検査を行うには簡便な方法なのですが、陰性だからといって安心はできません。たとえば早期大腸がんは、2割程度しか陽性となりません。進行がんでも4分の1は陰性というデータもあります。
注腸検査は全大腸を検査することができますが、早期の表面型のがんは見つかりにくく、ポリープが発見された場合でも、内視鏡検査を受けないと組織検査もポリープ切除も行えないため、初めから内視鏡検査を行う場合が多くなっています。当院でも、大腸検査のほとんどを内視鏡で行っています。



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